鏡のようにきれいな光沢仕上げにする研ぎ出し方法

研ぎ出しできれいな光沢仕上げのデスクトップモデルを製作してみませんか。飛行機プラモがまるでインテリアのようになります。

目次

研ぎ出しって何?

研ぎ出しとは

塗装表面とデカールとの段差を完全になくして平滑にし、塗装表面を磨いてツヤを出して、ピカピカに仕上げることです。

塗装の上にデカールを貼ると、わずかながらデカールの厚みによる段差ができます。

これをクリアー塗装で覆ってしまい、ペーパーをかけて塗装面とデカールの段差をなくして平滑にします。

その後コンパウンドで磨きこんでいき、光沢を出して鏡のようなつやを出していきます。

富太郎

図にするとこんな感じです。

完成するとピカピカのツルツルで、高級感が出てとても綺麗に美しくなります。

まるでインテリアか置物のような仕上がりになります。

難点は全くリアル感がなく、いかにも模型っぽくなります。

●鏡のようにきれいな光沢仕上げにする研ぎ出し方法2

●デスクトップモデル!飛行状態で製作してみませんか【まとめ】

ハイビジ 光沢仕上げ

●飛行機プラモをピッカピッカの光沢仕上げに!デスクトップモデル仕様にしてみませんか

アクロバットチームの機体や、ド派手な記念塗装機、ハイビジのアメリカ海軍機などに向いています。

きらびやかなマーキングの旅客機などには最適です。

逆にロービジ塗装や迷彩塗装などの機体にはあまり向いていない仕上げ方法でが、ピカピカの迷彩モデルもカッコイイと思います。

迷彩塗装 つや消し仕上げ

ミサイルなどは細かくて磨き作業がやりにくく、作業中に破損することも多いので兵装は装着せずに、ドロップタンクだけのほうが作業はしやすいです。

兵装をつける場合はミサイルなどの細かいパーツはクリアー塗装でとどめて、研ぎ出し作業は行わずにワックスでツヤを与えて、機体と光沢を合わせていきます。

研ぎ出しのざっくりした手順

1.クリアー塗装(砂吹き+本塗装)

2.ペーパーがけで塗装面を平滑に

3.コンパウンドで磨き

(場合によっては薄くクリアー塗装後に再度コンパウンドで磨き)

4.仕上げにワックスがけ

クリアー塗装をするときに使う塗料(私の場合)

塗装後にデカールを貼り、完全に乾燥するのを待ってからいよいよクリアー塗装を行います。

私の場合は乾燥が比較的早いラッカー系の塗料を使っています。

カーモデルを作る方には、ウレタンの塗料を使ってクリアー塗装をおこなっている方も多いと思います。

塗料は使い慣れた「クレオスのMr.スーパークリアー UVカット」の缶スプレーを使っています。

入手もしやすく、プラモデルを扱っているお店なら大抵は置いてあると思います。

UVカットのほうが、紫外線による劣化を遅らせられるかも・・・と、勝手に思い込んで使っています。

UVカットがない場合は「Mr.スーパークリアー」を使っています。

Mr.スーパークリアーとUVカット

●ファレホ/ポリウレタンバーニッシュで研ぎ出し失敗

エアブラシではなく、缶スプレーを使うのは楽チンだからです。

塗料も濃いので、早く厚い塗装被膜が作れます。

出勤前にサッと塗って、帰宅後にまたサッと塗って、の繰り返しでいつもは塗装しています。

何回かやっているとクリアーの厚い塗装被膜が作れます。

もちろん、エアブラシで塗装してもOKです。

入り組んだ細かい部分のクリアー塗装にはエアブラシを使う場合もあります。

その場合は「クレオスのMr.カラーGX スーパークリアーIII 光沢」を使っています。

富太郎

エアブラシは缶スプレーより塗面が滑らかに仕上がりますが、塗装回数は多くなります。

Mr.カラーGX スーパークリアーIII 光沢

●コンパクトなコンプレッサー「Mr.リニアコンプレッサーL5」

最初は砂吹きでデカール保護

缶スプレーを通常塗装をする時より離して、遠くから軽く吹きます。

ふわっと塗料の飛沫だけを乗せるように吹きます。

ちょっとだけ吹くのを繰り返す感じで。

プシュッ、プシュッ、プシュッ、と短く軽くクリアーをのせていきます。

デカールを傷めないように少しずつ塗っていきます。

全体にクリアーがのったら、十分に乾燥させます。

この時、デカールが痛んでいないかをチックします。

砂吹き後は、表面はザラザラでツヤも消えている状態になります。

缶スプレーを通常より離して塗装することで、溶剤を飛ばして塗料の飛沫だけをキットにのせていくことができます。

デカールは溶剤には弱いので、こうしてデカールを塗料で保護できます。(多分・・・)

表面がざらざらになることで、この後の本格的なクリアー塗装での足つきが良くなります。

輸入キットなどにはデカールの非常に弱いものもあり、砂吹きだけでデカールがシナシナになってしまうこともあります。

大抵のデカールは何種類かを選択して貼る方式だと思いますので、初めて作るメーカーのキットは、使わないデカールで試してみることをおすすめします。

砂吹き塗装段階で、デカールがクリアーに負けてしまう場合もあります。

少しくらいのヨレやヒビなら、タッチアップで乗り切ります。

完全にデカールが負けてシナシナになってしまった場合は、乾燥を待って、ペーパーがけでデカールを落とします。

別売りデカールを購入して再挑戦となります。

●きれいな発色と豊富なマーキング!別売りデカールを使って飛行機プラモ製作

クリアーの本塗装、缶スプレーのコツ

缶スプレーで本格的にクリアー塗装を行っていきます。

1.同じところに吹き続けない

同じ部分に吹き続けないようにします。

すぐに塗料が垂れたり、奥まった場所にたまったりします。

乾燥もすごく遅くなります。

2.吹き始めと吹き終わりはキットに吹かない

吹き始めと吹き終わりは、キットに吹かないようにします。

吹き初めには均一な塗料が出ずに、ブボッと荒い塗料がでることがよくあります。

きれいな塗装ができずに塗装面が荒れてしまいます。

3.角やフチ、奥まった部分から塗装しましょう

キットの角やフチなどにもしっかり塗料を乗せていきます。

角やフチは塗装の被膜が薄くなってしまうことが多いので気をつけましょう。

研ぎ出し時にプラの下地が露出してしまうことになります。

角やフチ、奥まった部分から塗装して、広い面を塗っていくのが良いと思います。

4.乾燥は時間をかけて

十分にクリアー層を作ったらしっかり乾燥させます。

表面は乾燥していても、中の方が半乾きの場合が多く指紋などがついてしまいます。

私は2週間~4週間くらい乾燥させています。

乾燥が不完全だと、研ぎ出し後に徐々につやがなくなり、ひけてきますので気長に乾燥させます。

乾燥中にデカールが侵食されて、少しずつひび割れてくることもありますので、観察しながら乾燥を待ちます。

参考までに、私は1/48のF-4ファントムで缶スプレーを1.5缶~2缶使います。

クリアー塗装後

ペーパーがけで塗装面を平滑にします

クリアーが完全に乾燥したら、ペーパーをかけていきます。

私の場合は「GodHandの神ヤス1000番」を使っています。

スポンジが付いているので、力が均等にかかり使いやすいです。

曲面だらけの飛行機にも良くなじんで便利です。

GodHand 神ヤス

ペーパー関連の商品はスポンジヤスリやスティック状のヤスリなど、各メーカーから様々な商品が発売されていますので、色々と試して自分の使いやすいものを見つけてください。

タミヤ スポンジヤスリ

削りカスがペーパーの目に詰まってしまうのを防ぐためにカラ研ぎではなく、水をつけながらペーパーをかける水研ぎをしています。

これで目詰まりを気にせずに作業できます。

カラ研ぎでもOKですが、ペーパーがすぐに目詰まりします。

その場合は100均などで売っている「激落ちくん」などのメラニンスポンジで、ペーパー表面を擦ると目詰まりが解消できます。

手の届きにくい部分や突起物のある場所などは、普通のペーパーを小さく切ってピンセットを使って作業したりします。

ペーパー1000番かけ後

1000番をかけた後に、2000番、4000番と番手を上げてペーパーがけをするとキット表面のヤスリ傷も消えて、表面が光りだしてきます。

面倒な場合は1000番をかけた後に、コンパウンドでの磨き作業に移っても大丈夫だと思います。

富太郎

ペーパーがけを1000番で終わる場合は、コンパウンドでの磨きが少し大変になります。粗目→細目→仕上げ目と段階を踏んで磨くといいです。

私の場合は1000番をかけた後にペーパーキズを埋めるように、エアブラシで薄くクリアー塗装をしてから、コンパウンドがけに移ります。

エアブラシでのクリアー塗装をしない場合は、にコンパウンドでの磨き作業に移ります。

結果として最後にピカピカになればOKなので細かい作業手順は、あまり気にしていません。

コンパウンドで磨いていきます

ペーパーがけで逃走面のデコボコが取れて均一な面になったら、コンパウンドで全体を磨いてピカピカにしていきます。

私の場合は「タミヤのコンパウンド(細目)と(仕上げ目)」を使うことが多いです。

初めは(細目)で磨いていき、最後の仕上げ磨きで(仕上げ目)を使います。

タミヤ コンパウンド

更に磨き込む場合は「ハセガワのセラミックコンパウンド」を使ったります。

液状のコンパウンドで磨きカスがあまり出ることなく、扱いやすいです。

ハセガワ セラミックコンパウンド

磨く時の布は、着古した綿のTシャツを使っています。

あまり荒い布を使うとキズが増えそうなので、着古してやわらかくなった綿素材のTシャツを使って磨いています。

各メーカーから用途に応じて様々な磨きクロスが発売されていますので、色々と試してみると良いと思います。

100均などで売っている眼鏡拭き用のクロスなども使えそうです。

コンパウンド磨き後

最後の仕上げにワックスがけ

コンパウンドで全体がピカピカの鏡面状態になったら、最後に全体にワックスをかけてさらにピカピカにします。

細かすぎて、ペーパーがけやコンパウンド磨きができなかった部分にもワックスを塗って光沢を合わせる意味もあります。

また、全体の光沢面の保護にもなります。

私は「ハセガワのコーティングポリマー」を使っています。

こちらも各メーカーから様々な模型用ワックスが発売されているので、色々と試してみるのが良いと思います。

ハセガワ コーティングポリマー

大体のワックスは薄く全体に伸ばして塗っていくものがほとんどですが、ワックスによって使用方法が若干異なりますので説明書をよく読んで使ってください。

キットの落下には要注意!

キットが順調にピカピカになっていくにつれ、当然ツルツルになっていきます。

ということは滑ります。

うっかり手を滑らせて、墜落事故になってしまわないように十分注意します。

私も手を滑らせ床に落下しキットが破損していますということが、多々あります。

頑張って修復したりもしますが、修復不能なほどバラバラになってしまう場合もありますので、気をつけて研ぎ出し作業をしていきましょう。

コンパウンドでの磨き作業中に自分の指紋が気になって、手袋をして作業をされる方も多いと思いますが素手よりも滑りますのでご注意ください。

●ハセガワ 1/48 A-4M スカイホーク:U.S.MARINES VMA311

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